こんにちは。海外FX&EAオタク研究所、管理人秘書のアナです。
当ブログでは、海外FXのあれこれやEAを使ったシステムトレードについてリアルな情報をお伝えするとともに、特に初心者の方がFXの基礎知識をしっかり身に付けることができるように「FX初心者講座」シリーズをお届けしています。
さて、今回は「スプレッドとは?知っておきたいFX取引にかかる実質手数料」と題して、FXで取引する際に必要となるコストである「スプレッド」について解説していきます。
日本のFX業者ではすべての手数料無料を謳っていますが、実際には「スプレッド」というコストが取引のたびにかかっています。
今回は、まず「スプレッドが何か?」ということを知ってもらって、その上で「スプレッドの特徴と仕組み」をしっかり理解してもらいたいと思います。
何も難しいことはなくて、同じタイミングで通貨を買うときと売るとき、その金額には差があるよってことだけなんですけどね。
その差が、、
- 広いほうがいいのか?
- 狭いほうがいいのか?
- 広いとどうなる?
- 狭いとどうなる?
そんなことを感覚的にイメージしてもらえるようになるのが、今回の目標です。
もちろん「スプレッド=実質手数料」とお伝えしているわけで、狭いほうがいいに決まってるんですけど、日本のFX業者はスプレッドの狭さを競って、それを絶対的な売り文句に口座開設を促しています。
でもFX業者の良し悪しはスプレッドで決まるわけではないですし、そもそもFX取引の勝敗はスプレッドが少し違うからと言ってどうにかなるわけでもありません。
「FX初心者講座」では、しっかり基礎知識を身に付けることを一番として、徐々にFXの本質を見極める力を養っていくことを目的としています。
FXの本質についてはこれから発信していきますので、今回まずは「スプレッドがどういうものか」ということに着目していきましょう!
ということで、まずは「スプレッドとは何か?」基本的な知識から始めていきましょう。
目次
スプレッドとは何か?
さて、早速スプレッドに関する説明を始めていきましょう。
スプレッドとは、通貨を売るときの値段と買うときの値段の差のことで、取引で発生する実質的な手数料(コスト)ということになります。
売買手数料無料っていうのが主流になっているFX業界で、「手数料無料なのにおかしくない?」と思っちゃいますよね。
実は国内FX業者はスプレッドを手数料とみなしてなくて、「流動性の要素を含むコスト」という扱いをしています。
トレーダーが負担しなくちゃならなくって、FX業者の収益になるものって理解しときましょ。
そんなスプレッドですが、どこを見ればわかるでしょうか。
チャートを見たことがある方は想像しやすいかもしれませんが、例として国内FX業者の米ドル円のレート表示を確認してみましょう。
通常FXのレートは、米ドル円「Bid(売り)104.675円」「Ask(買い)104.677円」と2つ表示されます。
前者を「売値(うりね)」と言い、米ドル円を売るときは「104.675円で売ることができますよ」という表示になります。
後者は「買値(かいね)」と言い、米ドル円を買うときは「104.677円で買うことができますよ」という表示になります。
「スプレッド」というのはこの売値と買値の差額であり、上記の場合、、
104.677円(買値)-104.675円(売値)=0.002円(0.2銭)
が、あなたが取引する際のコストになり、反対にFX業者からすると収入源になるというわけです。
つまり米ドル円を買った時点で0.2銭の含み損が発生していて、レートが変わらないうちにすぐ売ると、0.2銭の損失が出るということになります。
別の見方をすると、スプレッド0.2銭というのは、1通貨の取引で0.2銭の手数料を支払ってるのと同じこと。
この取引が1,000通貨単位の取引なら、、
0.2銭(スプレッド)×1,000通貨単位=0.002円×1,000通貨単位=2円
の手数料がかかり、1万通貨単位の取引なら、、
0.2銭(スプレッド)×10,000通貨単位=0.002円×10,000通貨単位=20円
の手数料がかかるということになりますね。
スプレッドの単位
スプレッドがどういうものかわかったところで、「スプレッドの単位」を確認しておきましょう!
スプレッドは「銭」という表示がされる場合と、「pips(ピプス、ピップス)」と表示される場合の2種類の表示方法があります。
(日本と海外のFX業者のスプレッド表記例)
業者 | 米ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 | ユーロドル | ポンドドル |
---|---|---|---|---|---|
日本のFX業者A | 0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 0.4pips | 1.0pips |
海外のFX業者B | 1.6pips | 2.6pips | 3.5pips | 1.6pips | 2.3pips |
このように世界基準では「pips」が使われますが、特に日本のFX業者は円絡みの通貨ペアに、日本の通貨単位で馴染みのある「銭」を使用しています。
1つに、通貨ペアの表記方法として、円絡みの通貨は「円」を単位として使うことから、スプレッドでは円のもっと小さな単位の「銭」を使っているということ。
詳しくは、FX初心者講座「通貨ペア」の記事内「通貨ペアの単位」を確認していただければわかりやすいのですが、円絡みの通貨ペアでは必ず円が後ろに表記されて、後ろに表記される通貨が決済通貨となり、単位として扱われます。
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すなわち、「米ドル/円(USD/JPY)」「ユーロ/円(EUR/JPY)」「ポンド/円(GBP/JPY)」の単位はすべて「円」となるわけですね。
スプレッドは、1円の1,000分の1(0.001円)というものすごく小さな値なので、「円」を使うと細かくなりすぎるため、「銭」を使って表示させています。
もう1つに、日本のFX業者は通貨ペアのスプレッドを競ってるんですが、外貨同士のペアよりも日本人に人気のある円絡みの通貨ペアをメインに競っていることから、その表記方法に日本人に馴染みのある「銭」を使ってるということですね。
統一という話が出たところで、「銭」と「pips」の単位をあわせておきましょうか。
「1銭」は「1pips」と同じになります。
すなわち、、
0.01円=1銭=1pips
ということです。
日本のFX業界でも最狭水準と言われる、ドル円のスプレッド「0.1銭」は、
0.001円=0.1銭=0.1pips
になるということを覚えておきましょうね!
スプレッドの値の違い
さて続いてスプレッドの値の違いについて確認していきましょう。
スプレッドは「狭い」「広い」という言い方で比較されます。
よく「業界最狭スプレッド」とか言われますよね。
また時々「安い」「高い」と言われたりもしますが、こちらはやや少数派といったイメージでしょうか。
このようにスプレッドはその幅が「通貨ペア」や「FX業者間」で異なっています。
例えば同じFX業者であっても、米ドル円のスプレッド、ユーロ円のスプレッド、ユーロドルのスプレッド、みんな違っていたりします。
また日本のFX業者間ではスプレッドの狭さが競われているように、業者の間でも違ってきます。
業者間でスプレッドが違うのは、業者としてどれだけ収益を確保するかの違いなので分かりやすいですが、通貨ペアによってスプレッドが違うのはどういうことでしょうか。
その基準としては次のものが挙げられます。
スプレッドの基準
- 為替市場での取引量=多いほどスプレッドは狭く、少ないほどスプレッドは広くなる
- 通貨の流動性=高いほどスプレッドは狭く、低いほどスプレッドは広くなる
このように、例えばドルや円、ユーロやポンドなど、通貨の取引量が多いものや流動性が高いものは、取引にかかるコストも低く抑えることができるということです。
スプレッドの原則固定制と変動制
あとお伝えしとかなきゃならないことは、スプレッドには「原則固定制」と「変動制」があるということ。
よく日本のFX業者のサイトなどで、スプレッドの一覧表の下に「スプレッドは原則固定」といった表記を見たことがあると思います。
日本のFX業者はほとんどがスプレッドの原則固定制を採用しています。
この原則固定制は、通常時のスプレッドの幅がそのFX業者の決めた水準で固定されている仕組みのこと。
これに対して変動制とは、取引時間中常にスプレッドの幅が狭くなったり広くなったりしている仕組みで、海外のFX業者が多く採用しています。
このスプレッドの「原則固定制」と「変動制」について、どちらが良い悪いということはないのですが、どちらの仕組みにもスプレッドが大きく広がるタイミングがありますので、少し詳しく解説しておきたいと思います。
この後しっかり確認しておこう!
スプレッドが広がるタイミング
ここからは「スプレッド原則固定制」にも「スプレッド変動制」にも存在する、「スプレッドが広がるタイミング」について確認していきましょう。
スプレッドが広がるタイミング
- ケース1.早朝
- ケース2.経済指標発表の前後
- ケース3.天変地異やテロなど政情不安に陥る天災・人災の発生
ケース1.早朝
まず、日本時間の早朝6時から8時の間は、ニューヨーク市場が閉まり、取引を行っている主要な市場がオセアニアのみになってしまいます。
FX初心者講座の取引時間の記事でも説明していますが、早朝のオセアニア市場のみの時間帯は取引が非常に少なく、市場の流動性が著しく低下している状態です。
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この時間帯では、レートが大きく動いたり、予期しない動きをすることもあって相場も安定しないことから、FX業者がスプレッドを広げて対応する傾向があります。
ケース2.経済指標発表の前後
経済指標の発表の前後も、相場が安定せず、スプレッドが大きく広がることがあるので注意が必要です。
特に米国の雇用統計など、重要なイベントであればあるほど影響は大きく、スプレッドは広くなると思ってくださいね。
経済指標発表時の一般的なスプレッドの広がり方の傾向としては、一気に広がるのではなく、指標発表の数分前からじんわり広がってきて、発表時にマックスまで広がり、また発表後に徐々に落ち着いてくるといった感じになります。
ケース3.天変地異やテロなど政情不安に陥る天災・人災の発生
これはもう全く予測できないことですが、例えば東日本大震災や米国同時多発テロなどのような、とんでもない災害が起こってしまったとき、市場は即座に反応しますので相場が不安定になって、スプレッドも大きく広がります。
普通とは全く違うレベルで相場が乱れて、スプレッドが広がりますので、何か起こったと気付くと思います。
十分に警戒して、情報をキャッチするようにしましょう。
「スプレッドとは?知っておきたいFX取引にかかる実質手数料」まとめ
今回の「FX初心者講座」は、FXで取引を行う際にかかってくる実質的な手数料である「スプレッド」について解説してきました。
最後に今回の内容をまとめておきますね。
「スプレッドとは?知っておきたいFX取引にかかる実質手数料」まとめ
- スプレッドとは何か?
- スプレッドの単位
- スプレッドの値の違い
- スプレッドの原則固定制と変動制
- スプレッドが広がるタイミング
ケース1.早朝
ケース2.経済指標発表の前後
ケース3.天変地異やテロなど政情不安に陥る天災・人災の発生
今回は「スプレッド」について、どういうものかを簡単に理解してもらいながら、単位や値の違いなど、少し細かな部分も説明してきました。
またスプレッドは、日本のほとんどのFX業者が採用している原則固定制と、海外の多くのFX業者が採用している変動制に分かれているということでしたね。
ただ原則固定制であっても変動制であっても、スプレッドが広がるタイミングがあるということもお伝えしました。
早朝など市場の流動性が著しく低下しているとき、大きな経済指標の発表時には注意をしておいて、スプレッドが大きく広がっているときには基本的に取引はしないと決めておきましょう。
スプレッドはFX業者からすると大切な収入源のひとつなので、国内業者、海外業者に限らずどこでも採用している仕組みです。
日本のFX業者は、0.1銭なんていうとんでもなく狭いスプレッドを提供して顧客獲得の競争をしていますが、あまり狭いスプレッドだけでFX業者を見るのではなく、各FX業者の特徴やサービス内容を理解して、総合的に選択するようにしましょうね。
少しだけアドバイスですが、、
- スプレッドが極端に狭いことをウリにしている
- 宣伝方法が派手
- ブログなんかでやたらオススメされている
こんな業者には注意しておいたほうがいいですよ。
ちなみにうちのブログでは、海外FX業者の「XM」を使っています。
よかったらどんな業者かチェックしてみてくださいね!
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一番最初にもお話しましたが、大切なのはスプレッドが狭いことじゃありません。
FXの本質はスプレッドには関係なくって、スプレッドが狭かろうが広かろうが、勝つ人は勝つし、負ける人は負けます。
上辺だけの情報に惑わされることなく、これからも一緒に基礎からFXをしっかり学んでいきましょうね!
でも僕レベルになると、気合でスプレッドを狭くできるのさっ!
ボスの戯言は一蹴しておいて、最後の締めに。。
今回は「FX取引にかかるコストであるスプレッド」について解説してきました。
トレードを始めると常に意識するようになると思うので、理解できるように読み返してもらえたらうれしいです。
またこの記事に関する質問や感想、要望などがありましたら、ぜひぜひお問い合わせくださいね。
なお、FX初心者の方が迷うことなく、かつ効率的にFXの基礎知識を学んでいけるように、すべての「FX初心者講座」をまとめた記事を作っています。
「FX初心者講座」シリーズを順番に見ていきたい場合、また経験者の方でも基礎知識を復習したい場合は、次の記事を是非参照してみてくださいね。
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