どうも!海外FX&EAオタク研究所、管理人です。
今回はトレード手法のひとつである「ナンピンマーチンゲール」についてお話していきます。
ナンピンマーチンゲール手法は巷でよく配布されている粗悪な無料EAなどに非常に多く使われています。
何も知らずにそんな粗悪なナンピンマーチンゲール式EAを手にしてしまって、大事な資産を失う事例も実際後を絶たないことから、ぜひその現実をしっかり知っておいてもらいたいと思います。


そもそもなぜ今回ナンピンマーチンゲール手法について取り上げようと思ったかということなんですが、先にお伝えしたとおり、巷の無料配布EAの多くでナンピンマーチンゲール手法が採用されていて、何も知らない初心者やEAを初めて動かすトレーダーが大切な資産を溶かしていっているという実態があるからです。
もちろんEAを無料配布する側にも旨味があって、詳しくは以下の記事で解説してるのですが、要するに取引回数と取引量(ロット数)を稼げるEAをトレーダーに使ってもらうことによって、総取引量に応じたアフィリエイト報酬(IB報酬)が無料EA配布者(アフィリエイター)に入ってくるという仕組みになっているわけです。
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そしてまさにナンピンマーチンゲール手法がEAとの相性も良く、取引回数と取引量(ロット数)を稼ぐのにもってこいの手法であることから、粗悪な無料配布EAで好んで使われているというわけなんですね。
実際インターネットでEAを検索してみると、
「FXトレードにおける勝率100%の手法がナンピンマーチンゲールだ!」
「ナンピンマーチンゲール式EAをほったらかしで動かして、勝率100%のトレードをしよう!」
なんて恐ろしい話が色々なSNSやブログに溢れかえっています。

特にEAを始めたばかりの頃は、どんなEAを使えばいいのかわからず、どうしてもこのような甘い謳い文句に踊らされてしまいがちです。
ですので、まず今回の記事でナンピンマーチンゲール手法を知ってもらって、どういったリスクがあるのか?なぜ勝てないのか?ということをしっかり理解するようにしてください。
そして、ナンピンマーチンゲール手法を使った粗悪なEAを掴んでしまう事の無いよう、正しく判別出来るようにしていきましょうね。


目次
ナンピンマーチンゲールとは?
まずは「ナンピンマーチンゲール」がどういった手法なのか解説していくので、確認してくださいね。
「ナンピンマーチンゲール」とは、FXなどの投資で使われるトレード手法の呼び方です。
「ナンピン」と「マーチンゲール」という2つの言葉が合体したもので、「マーチンゲールロジックでナンピンする」ということになります。
これだけを伝えられても何のことかさっぱりわからないと思うので、「ナンピン」と「マーチンゲール」それぞれを確認してから、改めて「ナンピンマーチンゲール」を解説していきますね。
ナンピンとは?
ナンピンとは、漢字で「難平」と書き、「難を平らにする」という意味があります。
「難」というのがすなわち投資で言うところの「損」を表しており、その漢字どおりに「損を平均化する」トレード手法ということになります。
具体的にトレーダーがナンピンをするということはどういうことかと言うと、最初にエントリーしたポジションが期待とは逆に動いた場合、エントリーと同じ方向にポジションを追加していき、相場の反転を待ってトータルで利益にしていくということです。


例えば、「買い」でエントリーした場合、期待としては相場が上昇してエントリーポジションより高い価格で売りたいところですが、期待に反して相場が逆行し、価格がどんどん下がっていったとします。
この時通常のトレードであれば、決めた損切りラインで損失を確定するところですが、「ナンピン」は相場の戻りを期待して、損切りではなくさらに追加の「買い」エントリーを入れるということになります。
普通に考えると、恐ろしくて買い足すというようなことは出来ないと思って当然なのですが、ここで、、
なぜナンピンするのか?
ということを見ていけば、納得出来る部分もあると思うので、確認していきましょう。
先に結論から言うと、同じ方向にポジションを重ねていくことによって、平均取得単価が平準化されて、損益分岐点が改善されるからナンピンが行われるということになります。


ドル円の相場が1ドル=100円の時に1ロットの買いエントリーを入れたとします。
その後ドル円の相場が下がり、1ドル=98円になりました。
この時さらに追加で1ロットの買いエントリーを入れる、すなわちナンピンをします。
この時点で、
- 100円の買いポジション1ロット
- 98円の買いポジション1ロット
の合計2ロットのポジションを保有していることになります。
この2つのポジションを合算してみると、99円の買いポジションを2ロット保有しているのと同じことになります。
1つ目のナンピンをした場合
- 100円の買いポジション1ロット
- 98円の買いポジション1ロット
(100円+98円)÷2ロット=99円(平均取得単価)
本来100円で持った買いポジションは、100円を上回らないと利益にはなりませんが、98円まで下がった時にもう1つポジションを持つ事によって、平均取得単価である99円を上回った時点で2つのポジションを併せて決済すると利益になるということになります。
少し不思議に感じてしまうかもしれませんが、最初に持った買いポジションの100円までの戻りを待つ必要がなくなっており、ナンピン前よりも少しの相場の値の戻りでプラス決済をすることが出来るというわけです。
つまり、ナンピンは平均取得単価を下げることによって、相場が逆行した場合でも少しの戻りで利益を出しやすい手法ということになります。
なので、相場が逆行したとしても戻ってくることがある程度読めるならば非常に有効な手法であるため、ナンピンが使われるというわけなんですね。


また1回目の追加ポジションで解消出来ずに相場が下がり続ける中で、2つ目、3つ目とポジションを追加する事もあります。
さらに2円単位でナンピンしてポジションを増やしていった場合の平均取得単価の下がり方を見てみましょう。
2つ目のナンピンをした場合
- 100円の買いポジション1ロット
- 98円の買いポジション1ロット
- 96円の買いポジション1ロット
(100円+98円+96円)÷3ロット=98円(平均取得単価)
3つ目のナンピンをした場合
- 100円の買いポジション1ロット
- 98円の買いポジション1ロット
- 96円の買いポジション1ロット
- 94円の買いポジション1ロット
(100円+98円+96円+94円)÷4ロット=97円(平均取得単価)
<ナンピンをしていった場合の平均取得単価>
ポジション | 価格 | 取引量 | 平均取得単価 (利益に変わる価格) |
---|---|---|---|
買い (当初) |
100円 | 1ロット | 100円 |
買い (ナンピン1回目) |
98円 | 1ロット | 99円 (100円+98円)÷2ロット |
買い (ナンピン2回目) |
96円 | 1ロット | 98円 (100円+98円+96円)÷3ロット |
買い (ナンピン3回目) |
94円 | 1ロット | 97円 (100円+98円+96円+94円)÷4ロット |

これだけを見ると、ナンピンが完璧に勝てる手法のように思ってしまいますが、実は大きな落とし穴があります。
ナンピンのリスク
ナンピンのリスク
- 相場が逆行し続けた場合、大きな含み損を抱えることになる
- 大きな経済イベント等、相場の暴騰・暴落に耐えることが難しい
- 結局負ける時にはロスカットになってしまう
ナンピンは良いことばかりではありません。
まず相場が逆行し続けた場合に、どんどん反対ポジションを追加していくわけですから、含み損は膨らみ続けるわけです。
そしてそんな含み損を抱えた状況の中で、何か大きな経済イベント等によってさらに負けの方向に相場が一気に動いてしまったら、資産が含み損に耐えられなくなってきます。
気づいた時には「証拠金維持率」が100%を切ってしまい、ロスカットラインにまっしぐらということも。
「証拠金維持率」の算出方法
有効証拠金(口座残高-含み損)÷必要証拠金×100=証拠金維持率(%)
最終的にはロスカットラインを割り込んで、強制ロスカットになってしまい、たった1回の負けが破産、すなわち相場からの退場となってしまうわけです。
いくら相場は必ず反転する、レンジを形成すると言っても、反転するのはいつなのか?またレンジを形成する幅はどれくらいなのかまで読むことは難しいですよね。



マーチンゲールとは?
さてここからはもうひとつの手法マーチンゲールについて確認していきましょう。
「マーチンゲール」とは元々カジノなどのギャンブルで使われていたベット(Bet・賭けること)戦略のひとつです。
勝率50%のゲームで、負けたら掛け金を倍にしていくというものです。
このマーチンゲール手法を使えば、何連敗していても1度勝てば負けを取り戻せます。


コインの表裏を当てるゲームはすごく単純で、コインを投げて表が出るのか裏が出るのか、ただそれだけを当てる勝率50%のゲームです。
最初に賭ける金額を100円として、負けた場合は直前に賭けた金額の倍の金額を賭ける事とし、勝った場合は賭けた金額と同じ額をもらえて、5連敗後の6戦目に初めて勝つ場合を想定します。
回数 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 |
---|---|---|---|---|---|---|
掛け金 | 100円 | 200円 | 400円 | 800円 | 1,600円 | 3,200円 |
勝敗 | 負け | 負け | 負け | 負け | 負け | 勝ち |
失った金額 | 100円 | 200円 | 400円 | 800円 | 1,600円 | 0円 |
失った金額合計 | 100円 | 300円 | 700円 | 1,500円 | 3,100円 | 3,100円 |
得た金額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 3,200円 |
損益 | -100円 | -300円 | -700円 | -1,500円 | -3,100円 | +100円 |
以上のとおり、5連敗後の6戦目初めての勝利でも損益がプラス100円となり、1回で損失を取り戻すことが出来ていることがわかると思います。
もう少し見てみましょう。
同じ条件でさらに10戦目まで連敗を繰り返し、ようやく11戦目で初勝利を挙げた場合を想定します。
回数 | 6回目 | 7回目 | 8回目 | 9回目 | 10回目 | 11回目 |
---|---|---|---|---|---|---|
掛け金 | 3,200円 | 6,400円 | 12,800円 | 25,600円 | 51,200円 | 102,400円 |
勝敗 | 負け | 負け | 負け | 負け | 負け | 勝ち |
失った金額 | 3,200円 | 6,400円 | 12,800円 | 25,600円 | 51,200円 | 0円 |
失った金額合計 | 6,300円 | 12,700円 | 25,500円 | 51,100円 | 102,300円 | 102,300円 |
得た金額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 102,400円 |
損益 | -6,300円 | -12,700円 | -25,500円 | -51,100円 | -102,300円 | +100円 |
先ほどの6戦目で初めて勝った場合と同様に、11戦目で初めて勝利した場合も100円のプラスとなり、1度の勝利で負けを取り戻すことが出来ています。



それではここからはこのマーチンゲール手法をFXのトレードに当てはめて、、
ナンピンマーチンゲール手法を理解する
ようにしましょう。
まずはイメージしやすいように、具体例から確認していきます。
マーチンゲール手法では、負けた時に次の掛け金を倍にするわけですから、トレードに当てはめると、ナンピンをする際に「倍のポジションを追加していく」ということになります。
例えば、「買い」でエントリーした場合、相場の上昇を期待するところですが、期待に反して相場が逆行し、価格がどんどん下がっていったとします。
この時ナンピンは相場の戻りを期待して、損切りではなくさらに追加の「買い」エントリーを入れるということでした。
さらにマーチンゲール手法を取り入れた場合、追加の「買い」エントリーの数量を最初の「買い」エントリーの「倍」持つということになります。
「買い」でポジションを持った場合
1ロット買い→相場が下落→2ロット買い→さらに相場が下落→4ロット買い→もっと相場が下落→8ロット買い
「売り」でポジションを持った場合
1ロット売り→相場が上昇→2ロット売り→さらに相場が上昇→4ロット売り→もっと相場が上昇→8ロット売り
こうすることによって、通常のナンピンよりもさらに平均取得単価が平準化され、より少ない戻りで利益を確保することが出来るようになるというわけです。
もっと具体的に数字を当てはめて確認してみましょう。
米ドル円の相場が1ドル=100円で1ロット買いでポジションを持ち、そのまま相場が下落して98円になった時点でさらに買いポジションを増やすことがナンピンでした。
この98円になった時点での買いポジションを「倍」の2ロットにする手法が「マーチンゲール」ということになります。
この時、平均取得単価は、
1つ目のナンピンマーチンゲールをした場合
- 100円の買いポジション1ロット
- 98円の買いポジション2ロット
(100円×1ロット+98円×2ロット)÷3ロット=98.67円(平均取得単価)
となり、98円の時普通に1ロットのナンピンをした際の平均取得単価99円より低い相場で勝ちを拾うことが出来るというわけです。

すなわち、通常のナンピンよりも平均取得単価が下がって、損益分岐点が劇的に改善することになり、ナンピンよりもさらに少しの相場の価格の戻りでプラス決済をすることが出来るというわけです。
さらに相場が下がった場合を考えてみましょう。
2つ目のナンピンマーチンゲールをした場合
- 100円の買いポジション1ロット
- 98円の買いポジション2ロット
- 96円の買いポジション4ロット
(100円×1ロット+98円×2ロット+96円×4ロット)÷7ロット=97.14円(平均取得単価)
3つ目のナンピンマーチンゲールをした場合
- 100円の買いポジション1ロット
- 98円の買いポジション2ロット
- 96円の買いポジション4ロット
- 94円の買いポジション8ロット
(100円×1ロット+98円×2ロット+96円×4ロット+94円×8ロット)÷15ロット=95.47円(平均取得単価)
<ナンピンとナンピンマーチンゲールをしていった場合の平均取得単価比較表>
ナンピン | ナンピンマーチンゲール | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
ポジション | 価格 | 取引量 | 平均取得単価 (利益に変わる価格) |
価格 | 取引量 | 平均取得単価 (利益に変わる価格) |
買い (当初) |
100円 | 1ロット | 100円 | 100円 | 1ロット | 100円 |
買い (ナンピン1回目) |
98円 | 1ロット | 99円 (100円+98円)÷2ロット |
98円 | 2ロット | 98.67円 (100円+98円×2ロット)÷3ロット |
買い (ナンピン2回目) |
96円 | 1ロット | 98円 (100円+98円+96円)÷3ロット |
96円 | 4ロット | 97.14円 (100円+98円×2ロット+96円×4ロット)÷7ロット |
買い (ナンピン3回目) |
94円 | 1ロット | 97円 (100円+98円+96円+94円)÷4ロット |
94円 | 8ロット | 95.47円 (100円+98円×2ロット+96円×4ロット+94円×8ロット)÷15ロット |
平均取得単価がさらに下がって、より小さな相場の上昇で勝つことが出来るようになっていることがわかると思います。


まとめると、「ナンピンマーチンゲール」とは、最初のエントリーの方向とは逆の方向に値が動いた場合に、
- エントリーと同じ方向に
- ロットを上げながらポジションを追加(ナンピン)し
- 最終的に小さな戻りでトータル利益にする
という手法になります。
またナンピンと同じく、ナンピンマーチンゲール手法も、一度エントリーしたら利益になるまで損切りせず追加エントリーを繰り返すことになります。
ということは、資金が潤沢にあればかなりの高確率で勝つことが出来るというわけですね。
このロジックが分かれば、FXでも簡単に勝てるんじゃないかと思ってしまうと思います。
でもそれが大きな落とし穴なのです。
もうここまで読んでいただければお分かりだと思いますが、ナンピンマーチンゲールは通常のナンピンよりもさらに高いリスクを抱えています。
そのリスクをこれからしっかり確認していきましょう。
ナンピンマーチンゲールのリスク
ナンピンマーチンゲールのリスク
- 相場が逆行し続けた場合、ナンピンよりもさらに大きな含み損を抱えることになる
- そんな大きな含み損に人間のメンタルは耐えられない
- 大きな経済イベント等、相場の暴騰・暴落に耐えることが出来ない
- 負ける確率はナンピンよりもさらに高く、1回の負けでロスカットになる
ナンピンマーチンゲールは、ナンピンよりも相場逆行時の取引量を倍々に増やすことから、ナンピンで挙げられるリスクがそのまま大きくなると思って間違いないです。
取引量が倍々で増えることから、含み損はさらに大きくなり、資金をどんどん圧迫することになります。
大きな含み損は人間のまともな精神をどんどん不安定にしていきます。
メンタルをコントロール出来なくなることから、損切りという正しい判断も出来なくなってしまいます。
当然ナンピンよりも、相場の暴騰・暴落に耐えることは難しくなりますし、負ける確率もさらに高くなります。
そして1回の負けがそのまま相場からの退場となります。


資金が無尽蔵にあるならば、ナンピンマーチンゲールは100%勝てる手法であることは間違いないです。
でも資金が尽きないことなどあり得ませんし、その前に人間の精神が大きな含み損に耐えることが出来なくなって崩壊してしまいます。
こんなリスクを抱えたナンピンマーチンゲール手法ですが、まだ自分の裁量トレードで行うならば、取引量を調整したり、損切りを決めたところでしっかり行ったり、そのリスクを回避する方法もあるのですが、さらに恐ろしいのがこのナンピンマーチンゲール手法を完全自動化させたEAです。
続いて、ナンピンマーチンゲール式EAに特化して、その闇の部分をしっかりお伝えしていきたいと思います。


ナンピンマーチンゲール式EAの恐ろしい闇
ナンピンマーチンゲール式EAは、最初はほったらかしでも勝ててしまうので、トレーダーはどんどん資金と取引量を上げて、「このまま不労所得で生きていけるんじゃないか?」と甘い夢を見るようになります。
しかし、結局資金を溶かしてしまって相場から退場してしまう人がほとんどというのが、このナンピンマーチンゲール式EAの現実であり、闇の部分でもあります。
それでは、何がナンピンマーチンゲール式EAの落とし穴なのでしょうか??
そもそもエントリーして自分の狙いが間違っていた場合は、自ら設定した損切りラインに到達した時点で損切りをして撤退するというのがFXの鉄則です。
そして負けトレードと次回以降に狙う勝ちトレードのバランス(勝率)や負ける(損切りする)幅と勝つ(利益獲得)幅のバランス(損益比率)を調整して、差し引きトータルで勝つということがトレード本来の基本的な考え方ですよね。
たとえ勝率が悪くて1勝9敗でも、9敗分の損失を1つの勝ちでカバーすれば利益は残りますし、損切り幅が大きくても、その損失をカバーするほど利益割合をしっかり保っておけば最終的に収益になります。
しかしナンピンマーチンゲール式EAは、一度エントリーしたらトータルで利益になるまで決済しないという特徴があります。
つまり含み損を抱えている状態にも関わらずポジションを持ち続け、さらにエントリーを続けるので、相場が反転して利益になるまでは基本的にずっと含み損状態が続くことになるわけです。
さらにポジションを持ち続けるためには証拠金も必要になるので、ポジションを増やすごとに資金を圧迫し続けます。
当然資金の総額を上回る含み損状態になってしまうと強制ロスカットになり、資金がなくなってしまって相場から退場させられてしまいます。
そして撤退ロジックを持たないナンピンマーチンゲール式EAは必ず最後に相場の暴騰・暴落を受けて負けてしまうという事。
それがまさしくナンピンマーチンゲール式EAの闇の部分と言われるところです。
ナンピンマーチンゲール式EAの闇(その1)
- 最初は勝ててしまうため、不労所得を夢見て取引量を増やしてしまうが、結局最後は破産して相場から退場する。
- 問題となるのは、損切りをしないばかりか、相場が反転して利益になるまではポジションを増やしながら含み損を増やしていくという手法。
- 最終的には相場の暴騰・暴落を受けて資金が含み損に耐え切れずに必ずロスカットされてしまう。
さらに深い闇は、そんなEAが配布者からすれば最も稼げる手段であるという事です。
EAを提供しているほとんどの業者やアフィリエイターが、紹介したトレーダーの取引したロット数に応じてFX業者から報酬の一部を受け取るシステムを利用しています。
つまりトレードをすればするほど、エントリーするロット数が多いほど、その報酬はアップしていきます。

ただ真っ当なEAほど、きっちりロジックにフィルターをかけてトレードの精度を上げているため、トレード数がどうしても少なくなってしまいます。
そうなってしまうと手数料が商売の要なのでEAを提供していても稼げなくなってしまうんですね。
結局悪質な業者やアフィリエイターはその場限り儲けることが出来ればいいと考えて、手っ取り早くトレード数もロット数も稼げて、大したロジックを組まなくてもある程度稼いでくれるナンピンマーチンゲール式EAを多く採用してしまうという現状になっているわけです。
そしてそんな悪質なナンピンマーチンゲール式EAを、何も知らない初心者がターゲットとなり使ってしまい、最終的に資金を溶かしてしまってFXから退場してしまうという悪い循環が繰り返されているという事が、ナンピンマーチンゲール式EAの恐ろしい闇の部分なんですね。
ナンピンマーチンゲール式EAの闇(その2)
- EAを提供する業者やアフィリエイターは、トレード回数や取引量に応じた報酬を受け取るシステムを活用している。
- ロジックに何の工夫もない粗悪なナンピンマーチンゲール式EAは、トレード回数・取引量が自然に増えるから、EAを提供する業者やアフィリエイターからすれば手っ取り早く稼ぐことが出来る最高のツール。
- 甘い言葉で何も知らない初心者に粗悪なEAを無料で使わせて、一時的な手数料収入を得るということを繰り返している。
- そんな粗悪なナンピンマーチンゲール式EAを使ってしまったトレーダーは、短い期間で資産をすべて失い、相場から退場してしまう。


ナンピンマーチンゲール手法を使った悪質なEAに騙されないよう、あなたの身を守る3ステップ
ここからは、ナンピンマーチンゲール手法を使った悪質なEAに騙されないように、あなた自身でしっかり大事な資産を守ってもらうためのステップ3つをお話していきます。
ナンピンマーチンゲール手法を使った悪質なEAに騙されないよう、あなたの身を守る3ステップ
- ステップ1.EAを入手するまでにしっかり確認する
- ステップ2.ナンピンマーチンゲール式EAならば使わない
- ステップ3.どうしても使いたいなら自分の裁量を加えて注意しながら使う(FX初心者不可)
ステップ1.EAを入手するまでにしっかり確認する
EAを入手するに当たっては、自分でそのEAを確認すると同時に、疑問に思う事があれば販売者や配布者にしっかり確認しましょう。
確認する内容
- EAで使われている手法が「ナンピンマーチンゲール」かどうか?
- 公開されている勝率や収益率が異常に高くないか?
まず確認すべきは、「あなたが入手しようとしているEAが『ナンピンマーチンゲール』を使ったEAかどうか?」ということです。
「手法」や「ロジック」という形で表記されていますので、よく確認してみましょう。
またナンピンマーチンゲール式EAに限らず、異常に高い勝率や収益率が公開されているものも要注意です。
今回解説してきたとおり、ナンピンマーチンゲール手法では基本的に損切りをしないため、勝率100%ということも十分有り得ます。
ただしそんなナンピンマーチンゲール式EAが負ける時はロスカット、すなわち破産であるという事を忘れないようにしてください。
さらにインターネットに溢れる、収益率の誇大表記にも注意するようにしましょう。
少し検索すると、「このEAで月利100%超えを達成!」といった目を引く謳い文句がいくらでも出て来ます。
確かにたまたま相場に大きな変動が無くて、月利100%すなわち元本の2倍になることはあるかもしれませんが、そんなうまい話が続くはずがありません。
負ける時に今まで稼いできた収益を含めてすべての資金が無くなるということを心にとどめておいてください。



ステップ2.ナンピンマーチンゲール式EAならば使わない
入手しようとしているEAが「ナンピンマーチンゲール式EA」ということがわかったならば、どんなに魅力を感じても「受け取らない」「使わない」という判断をすることも重要です。
繰り返しになりますが、「ナンピンマーチンゲール」という手法を使っている以上、最後には必ず相場の暴騰・暴落を受けてロスカット、破産することになります。
中にはよく考えられた撤退ロジック(ロスカットにならないよう持っているポジションを手仕舞いすること)を組み込んだナンピンマーチンゲール式EAが存在することも事実ですが、そんなすごいEAなんてほんの一握りで、大多数は粗悪で単純なナンピンマーチンゲール式EAです。
結局EAは本当に思い通りの結果を出せるのか、再現性を見極めることが非常に難しく、ロジックを解析出来ない初心者ならばなおさらリアル環境で動かしてみなければ、素晴らしいEAなのか粗悪なEAなのかも見分けることなんて不可能なわけです。

それならば一層の事「ナンピンマーチンゲール式EAには一切手を出さない」という選択をするのもひとつの方法です。
手を出さなければ、あなたの大切な資産を失うことはありませんから。


ステップ3.どうしても使いたいなら自分の裁量を加えて注意しながら使う(FX初心者不可)
ナンピンマーチンゲール式EAということがわかっていて、それでもどうしても使いたいならば、まずは負けても全く痛手にならない最小単位の取引量で動かしてみるようにしてください。
海外FXのXMでは10通貨(10円)から取引出来るマイクロ口座という口座タイプを提供しています。
リアルの取引環境かつ最小の取引量でしばらく動かしてみれば、思い通りの結果が出るのか、ある程度まで再現することが出来ます。

またそもそもの話になってきますが、大したロジックもないナンピンマーチンゲール式EAほど、自動売買を開始するとすぐにエントリーをし始めるという共通点があります。
もちろんしっかりロジックを組んだEAでも、基準さえ満たしていれば自動売買の開始と同時にエントリーをすることはありますが、粗悪なナンピンマーチンゲール式EAはなんとしてもポジションを持とうとします。
マイクロ口座の環境で、何度か自動売買ボタンをオンオフして確認してみましょう。
かなりの頻度で自動売買の開始と同時にポジションを持つようでしたら、粗悪なナンピンマーチンゲール式EAの可能性が高いですので、使用を控えることをおススメします。
さらにナンピンマーチンゲール式EAを本格的に運用していきたいならば、ほったらかしにせず、
- 使う場面をしっかり選ぶ
- 急激に、長期的にかつ一方的に動く可能性の高い通貨ペアを選ばない
- 取引数量(ロット数)やナンピンする幅などを厳密にコントロールする
- 「資金に対して○%」という含み損トータルでの損切り設定を徹底的に遵守する
- 一定の周期で得た利益を出金する
などしっかり自分の判断で行うことが重要になります。
確かにナンピンマーチンゲール式EAは、一定幅のレンジの範囲でアップダウンを繰り返している間は確実に利益を上げることが出来ます。
そして実際にナンピンマーチンゲール式EAで利益を上げている人がいることも事実です。
でもそんな利益を上げることが出来る人は、必ずナンピンマーチンゲールの使い方に独自のルールを定めて遵守しています。
ですので、ナンピンマーチンゲール式EAを自在に操るには、相場の動きがしっかり読める中上級トレーダーでなければ難しいと思ってください。
最終的にリーマンショックのような大きな事件やイベントを回避できるのは、ある程度ファンダメンタル要因を読める力が必要になるからです。
そのような裁量レベルが高ければ、手動介入でポジションを減らしたり、決済したり、EAをストップしたり、早めに利益分を抜いてしまったりして、破綻のリスクを小さくすることが可能です。
また資金が豊富にあって、あくまでメインの稼ぎ口ではなく、ポートフォリオのひとつとして組み込むというならば使い道はあるかもしれませんね。


ナンピンマーチンゲール手法とナンピンマーチンゲール式EAのまとめ
最後に今回解説してきました「ナンピンマーチンゲール手法とナンピンマーチンゲール式EA」についてまとめておきましょう。
ナンピンマーチンゲール手法とEAについてまとめ
- 巷で無料配布されている粗悪なEAに「ナンピンマーチンゲール手法」が多く使われている。
- ナンピンマーチンゲールとは「マーチンゲール」ロジックで「ナンピン」すること。
- ナンピンとは「損を平均化する」トレード手法。
最初にエントリーしたポジションが期待とは逆に動いた場合、エントリーと同じ方向にポジションを追加していき、相場の反転を待ってトータルで利益にする。 - ナンピンのリスク
相場が逆行し続けた場合、大きな含み損を抱えることになる
大きな経済イベント等、相場の暴騰・暴落に耐えることが難しい
結局負ける時にはロスカットになってしまう - マーチンゲールとはギャンブルで使われていたベット戦略のひとつで、勝率50%のゲームで、負けたら掛け金を倍にしていくというもの。
マーチンゲール手法を使えば、何連敗していても1度勝てば負けを取り戻すことが出来る。 - 「ナンピン」と「マーチンゲール」を踏まえて「ナンピンマーチンゲール」を理解する
「ナンピンマーチンゲール」とは、最初のエントリーの方向とは逆の方向に値が動いた場合に、エントリーと同じ方向にロットを上げながらポジションを追加(ナンピン)し、最終的に小さな戻りでトータル利益にする手法。
通常のナンピンよりも平均取得単価が下がって、損益分岐点が劇的に改善することになり、ナンピンよりもさらに少しの相場の価格の戻りでプラス決済をすることが出来る。 - ナンピンマーチンゲールのリスク
相場が逆行し続けた場合、ナンピンよりもさらに大きな含み損を抱えることになる
そんな大きな含み損に人間のメンタルは耐えられない
大きな経済イベント等、相場の暴騰・暴落に耐えることが出来ない
負ける確率はナンピンよりもさらに高く、1回の負けでロスカットになる - ナンピンマーチンゲール式EAの恐ろしい闇
ひとつにナンピンマーチンゲール式EAは、一度エントリーしたらトータルで利益になるまで決済をせず、含み損を抱えている状態にも関わらずエントリーを繰り返すので資金を圧迫し続け、必ず最後に相場の暴騰・暴落を受けて強制ロスカット、相場から退場することになる。
もうひとつに、悪質な業者やアフィリエイターは大したロジックを組まなくても手っ取り早く稼いでくれるナンピンマーチンゲール式EAを多く採用しており、何も知らない初心者が使ってしまい、最終的に資金を失いFXから退場してしまうという悪い循環が繰り返されているという事。 - ナンピンマーチンゲール手法を使った悪質なEAに騙されないよう、あなたの身を守る3ステップ
ステップ1.EAを入手するまでにしっかり確認する
ステップ2.ナンピンマーチンゲール式EAならば使わない
ステップ3.どうしても使いたいなら自分の裁量を加えて注意しながら使う(FX初心者不可)
今回は「ナンピンマーチンゲール式EAは勝てない!?無料配布EAで人気の手法の闇を探る!」と題して、多くのSNSやブログなどで無料配布されている「ナンピンマーチンゲール式EA」について、その手法から最終的に必ず破綻するとされる闇の部分まで解説してきました。
誤解の無いように伝えると、ナンピンもマーチンゲールも、さらにそれを組み合わせたナンピンマーチンゲールも手法としては実によく考えられた、素晴らしいロジックであるということは間違いありません。
ですので、ナンピンマーチンゲール式EAがすべて完全に悪であるという訳では無いということは理解しておいてください。
ただ今回ナンピンマーチンゲール式EAの闇の部分としてお話してきたとおり、撤退ロジックの無い簡単・粗悪なナンピンマーチンゲール式EAでは、必ず最後に破産してしまうということだけはしっかり認識するようにしてください。
またそのような粗悪なナンピンマーチンゲール式EAを掴まされて、破産してしまうことの無いよう、あなたが自分の身を守れるようしっかり知識をつけていきましょうね。
EAを使ったシステムトレードで本気で資金を運用していくに当たっては、「大きく稼いでくれるEA」ではなく「稼ぎ続けることが出来るEA」を選択することが重要です。
一瞬大きな利益を生み出したかと思えば、一度の負けで破産してしまうような粗悪なEAではなく、勝つときもあれば負けるときもあって、長いスパンで見て平均するとプラスになっているような堅実なEAを見つけて運用していくようにしましょう。




今回の記事も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
なお、当ブログにおいてメインで検証しているEAについて、以下の記事の最後にご紹介していますので、ご参照くださいね!
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